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慰問演奏とは?依頼方法・費用相場・喜ばれる選曲

ensona編集部
慰問演奏とは?依頼方法・費用相場・喜ばれる選曲

「慰問演奏」という言葉は知っていても、具体的にどんな活動なのか、誰が誰に何を提供するものなのか、はっきりとは説明しにくいかもしれません。施設で働く方、演奏を依頼したいご家族、慰問演奏をしてみたい音楽家——立場によって知りたいことも違います。

この記事では、慰問演奏とは何か、行われる場所、音楽療法との違い、依頼方法、費用相場、喜ばれる選曲、「迷惑」と感じられないための心構え、著作権の扱いまで、それぞれの立場から知っておきたい情報をまとめました。ピアニストと依頼者をつなぐ場として運営しているensonaの編集部が、現場の声を踏まえて解説します。

この記事の要点

  • 慰問演奏とは、福祉施設・病院・被災地などを訪問して音楽で人を慰め楽しませる活動。戦後に広まった
  • 主な実施先は老人ホーム・介護施設・病院・保育園・被災地・刑務所・自衛隊などの施設・地域
  • 音楽療法(治療目的・専門資格・継続的)とは別もの。慰問演奏は鑑賞型・単発・誰でも担い手になれる
  • 費用は無償〜プロ依頼5〜15万円まで幅広い。プロのソロは16,500〜50,000円が目安
  • 「迷惑にならない」ためには事前打ち合わせ・適切な音量・世代に合った選曲・適度な時間配分が決め手
恵良 響

この記事の監修者

恵良 響えら ひびき

4歳からピアノを始める。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校卒業後、渡仏。パリ地方音楽院を経て、現在パリ国立高等音楽院(Conservatoire national supérieur de musique et de danse de Paris)第一課程在籍中。

慰問演奏とは

慰問演奏とは、福祉施設・病院・被災地などを訪問して、音楽の演奏で対象者を慰め楽しませる活動のことです。無償の善意で行われることが多く、演奏者は無償か交通費のみで動く一方、プロの音楽家に有償で依頼することも増えています。

言葉の由来と歴史

「慰問」という言葉自体は戦時中の「慰問袋」「慰問団」が起源で、前線の兵士を慰める文脈で使われていました。戦後は、戦争で心に痛手を負った人々を歌や踊りで楽しませる活動が起点となり、自衛隊・刑務所・福祉施設での慰問演奏として定着しました。

2000年代以降は福祉領域での慰問演奏が中心になり、音楽療法との切り分けも明確になっています。

慰問演奏に込められた目的

慰問演奏の目的は、技術的に優れた演奏を披露することではなく、音楽を通じて入居者・利用者・患者に楽しい時間や心の安らぎを提供することです。海外の現場ガイドラインでは「演奏よりも交流が主役」と表現されることもあり、握手・声かけ・名前を呼ぶといった人と人との接点が重視されます。

慰問演奏が行われる主な場所

老人ホームの談話室で演奏に耳を傾ける入居者の様子

慰問演奏が行われる場所は多岐にわたります。代表的な実施先は以下のとおりです。

実施先主な対象一般的な頻度
老人ホーム(特養・有料)入居者月1〜週1
デイサービス・デイケア利用者月1程度
病院・緩和ケア病棟患者・家族病院の方針による
障がい者支援施設利用者月1〜季節ごと
保育園・幼稚園園児季節行事・敬老会等
被災地・避難所被災者災害時の臨時
刑務所・少年院受刑者・在院者法務省主管の教化活動
自衛隊隊員・家族部隊行事

最も件数が多いのは老人ホーム・介護施設で、敬老の日・クリスマス・正月・節分など季節行事に合わせた依頼が中心です。病院では緩和ケア病棟・小児病棟での実施例があり、近年は在宅ホスピスでの「最後に聴きたい曲」を演奏するパーソナルコンサートも注目されています。

慰問演奏と音楽療法の違い

慰問演奏と音楽療法の違いを5項目で比較した図

慰問演奏と音楽療法はしばしば混同されますが、目的・担い手・形態・効果の測り方が大きく異なります。慰問演奏は誰でも担い手になれる代わりに、効果は「楽しんでもらえたか」という主観的なもので、症状改善のような医学的な効果を保証するものではありません。「歌や演奏で施設を盛り上げたい」なら慰問演奏、「症状の改善を期待する」なら音楽療法と使い分けるのが良いでしょう。

ただし海外の研究では、認知症入居者への一人ひとりに合わせた音楽プログラム(個別プレイリストを継続的に聴かせる介入)で、抗精神病薬の使用が約11%、抗不安薬が約17%、四半期ごとに減少したとの報告(米国の老年医学誌JAMDA 2020年掲載・カリフォルニア州265施設4,107名の3年追跡調査)もあります。この研究は単発の慰問演奏ではなく、継続的な「なじみの曲を聴く」プログラム(Music & Memory)の効果を示したものです。慰問演奏でも、本人が長く親しんできた曲を選ぶ姿勢は記憶や感情に届きやすいヒントとして参考にできますが、投薬量の改善のような医学的な効果を期待するなら継続的な音楽療法プログラムが適しています。

慰問演奏の依頼方法

施設に運び込まれた電子ピアノとセッティング中の手元

慰問演奏を依頼する側・引き受ける側、それぞれのルートを整理します。

施設・主催者が演奏者を探す場合

施設のレクリエーション担当・生活相談員・施設長が演奏者を探すルートは、主に4つあります。

  1. 市区町村の社会福祉協議会・地域包括支援センター: ボランティア登録された演奏者を紹介してもらえる
  2. 演奏ボランティア団体・NPO: 演奏者と施設の橋渡しをしてくれる。首都圏中心
  3. 音楽教室・地元の演奏家への直接依頼: 既存の人脈や近隣のつてを活用
  4. 演奏者を探せるサービス: ピアニスト・音楽家のプロフィールを検索して直接コンタクトできるオンラインサービス

無償ボランティアを希望する場合は1・2が中心、有償で品質を担保したい場合は3・4が現実的です。

演奏者が施設に申し出る場合

逆に、演奏者の側から施設に「慰問演奏をさせてほしい」と申し出る場合の手順を整理します。

ステップ1: 社会福祉協議会・地域包括支援センター・ボランティアセンターに連絡

最も確実なルートです。市区町村の社会福祉協議会(社協)またはボランティアセンターに「慰問演奏のボランティアとして登録したい」と問い合わせます。

  • 持参するもの: 身分証、自己紹介書、演奏動画(任意の場合が多い)、選曲リスト(用意しておくと話が早い)
  • 登録から初依頼までの目安: 2〜3か月
  • 登録時に確認されること: 対応エリア、演奏ジャンル、希望する施設タイプ、無償か謝礼ありの希望

ステップ2: 関係のある施設への直接連絡

家族・知人が入居している施設、過去に職員として勤めていた施設なら、直接連絡しやすくなります。

ステップ3: 飛び込みでの直接連絡

施設のホームページから問い合わせフォーム経由で連絡するのは可能ですが、施設側に余裕がないと断られがちです。社協経由のほうが採用率は高くなります。

アマチュア演奏者の謝礼の扱い: 趣味でピアノを弾く方が無償ボランティアで参加する場合、施設から「お弁当・お茶菓子・お車代」程度の心づけを受け取ることはよくあります。実費の範囲を超える金銭の謝礼を受け取ると、著作権法第38条1項の「報酬を支払わない」要件を外れる可能性があるため、無償ボランティアとして活動するなら、現金の謝礼は丁寧にお断りするのが無難です。お弁当や菓子折り程度であれば実費の範囲として一般的に受領可能と扱われています。

ご家族が依頼する場合

入居者のご家族がパーソナルなお祝いとして演奏を依頼することもできます。誕生日・敬老の日・退院祝い・終末期のお見送りなど、目的を施設に伝え、施設長・管理者の判断を経て、個別の小規模演奏として受け入れてもらえる場合があります(受け入れ判断は施設長・管理者が最終決定し、他入居者への影響・感染対策・職員配置の検討が含まれるため、希望が通らない場合もあります)。

家族からの依頼で施設に確認すべき項目は以下のとおりです。

確認項目ポイント
受け入れ可否施設長・管理者の判断。窓口は生活相談員
場所母(父)の部屋/談話室/食堂ホールのどこで行うか
同席者家族のみ/同じフロアの入居者も招待/全員参加
演奏時間30分/20分/ベッドサイド10〜15分など短時間も相談可
施設のピアノ備え付けの有無・調律状態
施設手数料個別依頼で施設に手数料が発生するか
当日の進行機材搬入・誘導・お茶出しを誰がするか
事前リハーサル当日朝の音出しか、別日のリハか

短時間プログラムの目安: 87〜90代の方で体力に不安がある場合は、20〜30分のミニコンサートや、10〜15分のベッドサイド演奏も依頼できることがあります。短時間でも最低料金が設定されている演奏者が多いため、ソロで16,500〜30,000円程度が目安です。

総額モデル例:

総額目安内訳
施設にピアノあり・近郊・ソロ30分25,000〜45,000円出演料20,000〜30,000円+出張費5,500〜15,000円
施設にピアノなし・近郊・ソロ30分・電子ピアノ持参40,000〜65,000円上記+電子ピアノセット12,000〜20,000円
施設にピアノあり・近郊・ソロ60分35,000〜70,000円出演料30,000〜50,000円+出張費5,500〜15,000円

慰問演奏の費用相場

慰問演奏の費用は、無償ボランティアから本格的なプロ依頼まで幅があります。

形態費用想定される演奏者
ボランティア(完全無償)0円学生・地域の音楽愛好家・知人
交通費のみ実費1,000〜5,000円同上+NPO登録ボランティア
謝礼ありの個人依頼10,000〜30,000円音大生・若手演奏家
プロ依頼(ソロ)16,500〜50,000円プロのピアニスト・歌手
プロ依頼(デュオ)33,000〜80,000円プロ2名(ピアノ+歌・楽器)
プロ依頼(トリオ)49,500〜120,000円室内楽3名編成
プロ依頼(カルテット以上)49,500〜200,000円室内楽4名以上

プロ依頼の演奏時間は45〜60分が標準で、拘束時間は2〜5時間(リハーサル・準備・演奏・撤収を含む)です。

加算される費用

出演料以外にかかる代表的な費用は以下のとおりです。

項目目安
出張費(近郊)5,500〜15,000円
出張費(遠方)33,000〜55,000円
楽器手配(電子ピアノセット)12,000〜20,000円/日
調律料10,000〜30,000円
繁忙期(敬老会・クリスマス等)通常料金。出張費・休日加算が別途発生する場合あり

会場のピアノ有無は事前確認が必要です。施設に古いアップライトピアノがあっても、長く調律していなければ使用が難しいため、演奏者が電子ピアノを持参する場合も多くあります。

費用負担者

慰問演奏の費用を誰が負担するかは、依頼の経路によって異なります。

  • 施設のレクリエーション予算: 老人ホーム・介護施設の年間予算から
  • 入居者・利用者の家族: 家族からのお祝いとして個別に手配
  • 自治体の補助金: 地域包括支援センター経由のボランティア活動として
  • NPO・社会福祉法人の助成: 寄付ベースの音楽活動団体経由

喜ばれる選曲・避けるべき選曲

楽譜と選曲リストを囲んだ打ち合わせの手元

選曲は慰問演奏の出来を大きく左右します。

世代別の鉄板曲

入居者がその年代を通じて長く親しんできた曲が最も喜ばれます。10代〜20代の青春期にヒットした曲を中心に、人生で繰り返し耳にしてきた国民的な名曲を組み合わせるのが王道です。

入居者の年齢主に流行年と親しんだ年代代表曲
80代1950〜80年代に親しんだ曲「上を向いて歩こう(1961)」「いつでも夢を(1962)」「365歩のマーチ(1968)」「川の流れのように(1989・国民的歌)」
90代1940〜60年代に親しんだ曲「青い山脈(1949)」「リンゴの唄(1945)」「東京ブギウギ(1947)」「ここに幸あり(1956)」
全世代共通童謡・唱歌・季節の歌「ふるさと」「赤とんぼ」「さくらさくら」「春の小川」「もみじ」

第一興商の高齢者施設・通いの場の人気曲調査(2023年)では「青い山脈」が1位で、現場のボランティア演奏家の実証でも、歌えない方も繰り返しのうちに口ずさみ始めることが多いと報告されています。

避けるべき選曲

逆に、避けたほうがよい曲もあります。

  • 軍歌(「同期の桜」「軍艦マーチ」「歩兵の本領」など): 戦中世代の方々に嫌な記憶を呼び起こす可能性。喜ぶ方もいる一方、不安や落涙のリスクがあるため、施設の同意なく演奏しない
  • 葬送曲(「亡き王女の為のパヴァーヌ」など): 死・喪失の連想で気分が沈む
  • 激しいロック・大音量曲: 音楽療法の臨床現場では、刺激の強い大音量曲が認知症の方の興奮や不安などの症状(BPSD)を悪化させた事例が報告されている
  • 絶望的な失恋演歌: 同上

参加型プログラムの工夫

ただ演奏するだけでなく、入居者が一緒に歌える・手拍子できる構成にすると満足度が大きく上がります。

  • コール&レスポンス: 演奏者が歌う → 入居者がオウム返し
  • クイズ形式のMC: 「この曲の歌手は?」と問いかけて思い出を引き出す
  • 手拍子・足踏みへの展開: 体を動かす楽しさを少しずつ
  • 個人名での呼びかけは事前同意のもとで: 入居者の氏名は要配慮個人情報を含むため、施設の同意なく演奏者へ伝えることはできません。施設側で「お名前カード」を用意してもらう、職員が介在して紹介する、または「今日来てくださった皆さん」と全体に呼びかける方式が安全です

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「迷惑にならない」慰問演奏のために

慰問演奏は本来歓迎されるはずの活動ですが、施設の現場からは「正直、迷惑に感じることもある」という本音が聞こえてきます。代表的な原因と回避策を整理します。

原因回避策
音量が大きすぎる楽器を選定し、施設の広さに合った編成にする。フォルテッシモを連発しない
世代に合わない選曲入居者の年齢層を事前に確認し、青春期の曲を中心に組む
演奏者が主役になる入居者の反応を見ながら進行を調整。MCを短く
食事・入浴時間と被る施設のスケジュールを必ず確認。施設ごとに最適時間が大きく異なる(特養では14:00〜15:30が入浴ピークの場合もあり、午前のレク枠10:30〜11:30や、おやつ後の15:30〜16:30が候補になる施設もある)
演奏時間が長すぎる45〜60分を目安に。MC込みで90分超は避ける
段取り不足で職員に負担機材搬入・配線は演奏者が自前で行う。下見を依頼
参加を強制する空気拒否する自由を残す。聴きたくない方への配慮
「慰問」という言葉への違和感施設によっては「訪問演奏会」「ふれあいコンサート」などの呼び方を使う

これらの問題は、事前打ち合わせで施設側の希望を聞き取ることでほぼすべて回避できます。下見の段階で、ピアノの位置・音響・入居者の様子・職員の動き方を確認し、選曲・進行・所要時間を擦り合わせておきましょう。

海外で標準とされている配慮

海外の老人ホーム慰問のガイドラインでは、以下の点が共通して強調されています。

  • 演奏前に施設のレクリエーション担当と必ず打ち合わせ: スケジュール・空間制約・入居者の好みを確認
  • 下見の徹底: 演奏スペース・電源・搬入経路を本番前に把握
  • 柔軟性の重要さ: 食事・薬・移送が割り込む前提で待つ・調整する
  • 演奏より交流: 握手・声かけ・名前を呼ぶ時間を演奏と同等に大切にする
  • 個別最適化: 「定番曲」だけでなく、職員から事前に「○○さんが好きだった曲」を聞き出す

「定番曲のリスト」をなぞるだけでなく、目の前の入居者一人ひとりに合わせた選曲ができると、海外で見られるような深い反応(長く反応が薄かった方が突然口ずさむ、家族との会話が戻るなど)に近づきます。

著作権(JASRAC)の扱い

慰問演奏でも、有名な歌謡曲・童謡を演奏する場合は著作権の扱いを意識する必要があります。

著作権法第38条1項の3要件

著作権法第38条1項では、以下の3要件をすべて満たす場合に許諾不要で演奏できると定められています。

  1. 営利目的でない
  2. 聴衆から料金を受けない(名目を問わず実質的に対価性があれば料金とみなされる)
  3. 演奏者に報酬・謝礼を支払わない(実費の範囲を超える交通費や謝礼名目の支給は報酬とみなされ得る)

つまり、完全な無償ボランティアの慰問演奏は、原則として許諾不要です。ただし楽譜の複製・録音・配信は第38条1項の対象外(第38条1項は「上演・演奏・上映・口述」のみが対象)で、別途許諾が必要になります。

有償で演奏者に謝礼を支払う場合

謝礼や出演料を支払う場合は3要件を満たさなくなるため、JASRACへの申請・使用料支払いが必要です。手続きは演奏者ではなく、演奏会の主催者(多くの場合は施設側、外部団体が主催する場合はその団体)が義務を負います。

  • 申請: コンサート・イベント形式の演奏で行う
  • 使用料: 入場料無料の場合は定員と曲数で計算
  • 包括契約: 年間で多数のイベントを行う施設は包括契約で固定料金にできる

福祉施設の特例

医療法・介護保険法に基づく施設では、BGMや常設の演奏について使用料免除の特例があります。ただし、敬老会・クリスマス会のような行事での生演奏は、行事自体に営利性が出る場合(参加費徴収など)に免除外となる場合があるため、施設の規程と日本音楽著作権協会(JASRAC)の案内を都度確認するのが安心です。

詳細は文化庁の著作権制度解説JASRAC公式で確認できます。

ピアノで慰問演奏を依頼するという選択肢

慰問演奏の楽器構成として最も選ばれているのがピアノです。理由は明確で、ピアノ1台でメロディと和音の両方を担えるため、ソロでも参加型プログラムが組みやすく、施設の規模を問わず対応できるからです。

慰問演奏でピアニストを探すルートは、これまでに見た4つ(社協・NPO・直接依頼・演奏者を探せるサービス)がありますが、それぞれに向き不向きがあります。完全無償で済ませたい場合は社協・NPO経由が中心で、品質や演奏者の人柄を重視したい場合は直接依頼や演奏者を探せるサービスが向いています。

ensonaは、ピアニストと依頼者をつなぐ場として運営しているサービスです。登録ピアニストのプロフィール・演奏動画・対応シーン(施設訪問・結婚式・パーティー等)・希望料金が公開されており、施設訪問の経験があるピアニストや、童謡・歌謡曲のレパートリーが豊富なピアニストを条件で絞り込んで直接メッセージを送れる仕組みです。仲介手数料は取らず、ピアニスト本人が提示する料金がそのまま依頼者の支払額の中心になります。

項目ensonaでの扱い
利用料金(依頼者)無料
仲介手数料取らない
演奏者検索プロフィール・演奏動画・対応シーン・希望料金で絞り込み
当日トラブル時依頼者と演奏者で解決が基本。事前に「代替演奏者の手配条件」を契約で握る運用を推奨
賠償責任保険ピアニスト個人で加入を推奨。施設の要求がある場合は事前確認
運営の収益依頼者・ピアニストの双方から利用料は取らず、広告収益で運営を支える方針

「施設で慰問演奏をしてくれる方を探しているが、社協のリストでは演奏動画も経歴も見えない」「家族が入居している老人ホームで誕生日に演奏を頼みたい」と感じたとき、選択肢のひとつとして検討してみてください。

まとめ

慰問演奏とは、福祉施設・病院・被災地などを訪問して音楽で人を慰め楽しませる活動で、戦後に広まった日本独自の文化です。主な実施先は老人ホーム・介護施設・病院・保育園・被災地・刑務所・自衛隊と幅広く、誰でも担い手になれる一方、音楽療法(治療目的・専門資格・継続的)とは別ものとして整理されてきました。

費用は無償ボランティアからプロ依頼5〜15万円まで幅があり、ソロのプロ依頼は16,500〜50,000円が目安です。出張費や楽器手配費が別途加算されるため、見積もり時に総額を確認しましょう。

選曲では入居者の青春期に流行した曲が最も喜ばれます。「青い山脈」「上を向いて歩こう」「ふるさと」が代表的な鉄板曲です。一方で、軍歌や葬送曲は嫌な記憶を呼び起こすリスクがあるため避けます。

慰問演奏が「迷惑」と受け止められる原因は、音量・選曲ミス・時間帯・押し付け感など8つに整理でき、すべて事前打ち合わせで回避可能です。著作権は完全無償なら原則手続き不要ですが、有償の場合は施設側がJASRACに申請する義務があります。

ピアノは慰問演奏の楽器構成として最も選ばれており、施設訪問経験の豊富なピアニストを直接選んで依頼したい方は、ensonaのような演奏者を探せるサービスを使うと、社協ルートでは見えない演奏動画や経歴も含めて納得して選べます。

家族が入居している老人ホームでの誕生日演奏や、施設のクリスマス会での生演奏など、慰問演奏のピアニストをお探しの方へ。なら施設訪問の対応経験を持つピアニストを条件で絞り込んで、本人に直接相談できます。

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よくある質問

Q.

慰問演奏は誰でも依頼できますか?

A.

施設の生活相談員・施設長・レクリエーション担当に問い合わせると受け付けてもらえることが多いです。家族が入居している老人ホームでの依頼や、地域のNPO・社会福祉協議会経由でつなぐ方法もあります。施設によっては事前審査・打ち合わせ・選曲リスト提出が求められるため、本番の1〜2か月前に動き出すと安心です。

Q.

慰問演奏の費用はいくらですか?

A.

無償のボランティア演奏から、交通費のみ実費負担、謝礼1〜3万円程度、プロ依頼で5〜15万円超まで幅があります。プロのソロ依頼は16,500〜50,000円、デュオで33,000〜80,000円、トリオで49,500〜120,000円が目安です。出張費や楽器手配費が別途加算されるため、見積もり時に総額を確認してください。

Q.

著作権(JASRAC)の手続きは必要ですか?

A.

著作権法第38条1項により、(1)営利目的でない、(2)聴衆から料金を取らない、(3)演奏者に報酬を支払わない、の3要件をすべて満たす無償ボランティア演奏は、原則として許諾不要です。有償で演奏者に謝礼を支払う場合は、演奏会の主催者(多くの場合は施設、外部団体が主催する場合はその団体)がJASRAC申請を行う必要があります。詳細は施設の規程と日本音楽著作権協会(JASRAC)の案内を確認してください。

Q.

慰問演奏と音楽療法はどう違いますか?

A.

慰問演奏は鑑賞型で、単発の訪問が中心。誰でも演奏者になれます。一方、音楽療法は治療目的の計画的・継続的なプログラムで、音楽療法士という専門資格を持った人が担当します。慰問演奏は「楽しんでもらう」、音楽療法は「症状を改善する」と目的が異なります。期待する効果に応じて使い分けるのが良いでしょう。

Q.

どんな曲が喜ばれますか?

A.

入居者がその年代を通じて長く親しんできた曲が最も喜ばれます。80代の方には「上を向いて歩こう」「いつでも夢を」「365歩のマーチ」「川の流れのように」、90代の方には「青い山脈」「リンゴの唄」「東京ブギウギ」「ここに幸あり」が定番。季節の歌(さくらさくら・ふるさと・赤とんぼ)や童謡も世代を問わず親しまれます。逆に軍歌や葬送曲は不安・嫌な記憶を呼び起こすことがあるため避けましょう。

Q.

演奏者にはどう声をかければよいですか?

A.

施設のレクリエーション担当者を経由するのが一般的です。直接依頼する場合は、(1)日時・会場・予算、(2)入居者の年齢層と人数、(3)会場のピアノ有無と調律状態、(4)NG曲・配慮が必要な入居者の有無を最初の連絡で伝えると話が進みやすくなります。事前の下見・打ち合わせを快く受けてくれる演奏者を選ぶと安心です。

Q.

慰問演奏で「迷惑だった」と言われる原因は何ですか?

A.

代表的な原因は8つあります。(1)音量過大、(2)世代に合わない選曲、(3)演奏者主役の押し付け感、(4)食事・入浴時間と被る、(5)90分超の長さ、(6)職員に搬入を任せる段取り不足、(7)参加を強制する空気、(8)「慰問」という言葉自体への違和感。事前打ち合わせで施設側の希望を聞き取ることで、ほぼすべて回避できます。

恵良 響

この記事の監修者

恵良 響えら ひびき

4歳からピアノを始める。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校卒業後、渡仏。パリ地方音楽院を経て、現在パリ国立高等音楽院(Conservatoire national supérieur de musique et de danse de Paris)第一課程在籍中。

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